AGです。

スズキのSSといえば
GSX-Rシリーズですが、

1000ccクラスの
初代GSX-R1000(K1)
が発売されたのは2001年。

ホンダCBRとヤマハYZF-R1が
激しく争っている間に
勢いよく割って入ってきました。

それまでは
「軽量なCBR」 vs 「ハイパワーなR1」
という争いのなか、

CBRよりも軽く、
R1よりも最高出力があるという
スペックで
1000ccクラスSSの王者に君臨し、

その後も
モデルチェンジを続けながら
多くのファンを魅了しました。

そんな歴代GSX-R1000の中でも
私が気になるのは
SBKレギュレーション変更後に
本格レース用として
フルモデルチェンジを受けた

K5 / K6型です。

GSX-R1000

 

プラットフォームのスズキが生んだマルチSS

スズキと言えば
プラットフォームの共通化を
得意とメーカーです。

プラットフォーム共通化というのは
簡単に説明すると、
複数車種でベース(シャーシ)を
共通にすることによって、
全体の生産量を増やし、
大量生産による
コストダウンを図るためのものです。

自動車業界では普通に使われていて、
例えば
ワゴンRとハスラーは
同じプラットフォームの車です。

スズキには
RF400/600/900
イナズマ400/1200
などなど
(マイナーすぎて伝わりにくい?)
排気量の見分けがつかないような
プラットフォーム共通のバイクが
比較的多いのですが、
GSX-R1000も
そんなプラットフォーム共通化が
されているバイクの一つです。

ところが実は、
初代GSX-R1000(K1)は
当初は予定がなかった

GSX-R750/600のプラットフォームに
1000ccのエンジンを
搭載しなくてはいけない

という難題が
開発陣に押し付けられた
バイクなのでした。

GSX-R1000 1

▲ベースになったGSX-R750
By NofearrrCC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

 

ムリヤリ作った1000は結果最高だった

フレームもエンジンンも
コストダウンのため新設計は
許されませんでした。

750ccを1000ccにボアアップするのに、
一番てっとり早いのは
ピストン径を大きくする事です。

でも、750ccで
最高のパフォーマンスが
出せるように作られた
エンジンはシリンダーの壁が薄く、
大きくできたのはたった1mm。

ピストン径を1mm大きくしても
770ccぐらいにしかできません。

このシリンダー壁を
分厚くしようと思うと、
シリンダー全体の横幅が広がってしまって
エンジン腰下もヘッドも
新設計する必要があり、
750用に設計されたフレームからも
はみ出てしまうので、
ピストン径を大きくする
という方法で
これ以上排気量を
上げることはできません。

そこでスズキは
エンジンを縦に伸ばしたのです。

すなわち、
ロングストローク化することによって
998ccまでボアを拡大させたのです。

結果的にスポーツバイクとしては
異例のロングストロークエンジンが
生まれたのですが、

実はこれが

163PS / 10800rpm

という最大出力を発生しつつも、

11.2kg-m / 8500rpm

という低回転域で
最大トルクを発生させるという、

とても扱いやすい特性を
生み出したのです。

GSX-R1000 2

▲初代GSX-R1000(K1)
By MAbbeyCC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

 

レースで勝つためのフルモデルチェンジが K5

CBRよりも軽く、
R1よりもハイパワー。
しかも扱いやすい。

もちろんトップパフォーマンスをもつ
GSX-R1000は
世界中で高い評価を得ました。

しかし、
2004年スーパーバイク世界選手権(SBK)
での4気筒バイクのレギュレーションが
750ccから1000ccに変わると、

ヤマハはYZF-R1で
パワーウェイトレシオ1.0kg/ps。

カワサキはZX-10Rで
パワーウェイトレシオ0.97kg/ps。

とレース向けの
過激なスペック争いが始まりました。

もちろんGSX-R1000が
これらのバイクにレース(SBK)で
勝つために必要なのは
更なるパワーアップと軽量化です。

スズキは
レギュレーション変更の翌年、
2005年にそれを実現させます。

GSX-R1000 3

▲GSX-R1000 K5
By MarcoscmGFDL  CC BY 3.0 via Wikimedia Commons

 

限界かと思われていた
ピストン径を0.4mm広げて
(ピストン径で0.4mmってことはシリンダー壁0.2mmですよ!)

排気量を998.6ccにし、
最高出力は
178PS / 11000rpm

にまでパワーアップ。

フレームも
さらにコンパクト化が進み、
乾燥重量は166kg。

なんとパワーウェイトレシオは
F1並みの0.93kg/ps!

しかし、
このパワーウェイトレシオは
後にフレーム強度不足による
フレーム補強部品追加装備のリコールが入り、
カタログ上の幻になってしまいました。

ところが、
K5の伝説はそれだけではありません。

SBKのために作られた
GSX-R1000 K5はデビューしたその2005年、
連勝続きだったドゥカティをおさえ、
ライダータイトル、
メーカータイトルを獲得し
SBKを制したのです。

また、自動車雑誌『AUTOCAR』が行った
0-100mph(マイル)テストでは

ポルシェ911カレラS
アストンマーチンDB9
シボレーコルベットC6

といったハイパワー車に加え、

TVRサガリス
ケーターハムCSR 260
アリエルAtom

といった軽量ハイスペック車を
全ておさえ、
ナンバーワンに輝いています。

 

GSX-R1000 GooBikeでみる中古バイク価格は?

スタイリッシュなデザインと
様々なドラマを持つ
2005~2006年型の
K5 / K6型GSX-R1000は
今でも人気です。

その後モデルチェンジした
K7 / K8で
さらに
パワーアップを果たすのですが、

騒音・排ガス規制の為か
左右二本出しマフラーを採用し、
賛否が分かれて人気はイマイチ。

GSX-R1000 K5 / K6は
同年式のCBRやR1、ZX-10Rと比べても
中古車価格は割高で、
程度の良い物になると、
モデルチェンジしたK7 / K8よりも
高い価格が
つけられていることもあります。

その分、リセールバリューは
高そうですよね。

スズキ GSX−R1000の価格相場 | 新車・中古バイク情報 GooBike(グーバイク)

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最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。