スズキが
GSX‐R1000R ABS
の日本仕様を

2017年7月28日より発売すると
発表しました。

やはり一番注目すべきは日本仕様で

最大出力:197ps(145kW)/ 13,200rpm
最大トルク:11.2kg-m / 10800 rpm
車体重量:203kg

という
病気なんじゃないか!?
と思わせるような
スペックです。
( ほめてますw)

 

メーカー自主規制の解禁

古くからバイクに乗っている人ほど、

「日本仕様の大排気量モデルは輸出モデルの半分ぐらいしか最大パワーがない、抑えられている。」

というイメージが強く、
いまだにそう思っている人も
少なくないです。

そんな中、
今回のGSX-R1000Rのスペックは
驚きですよね。

このブログでは
私がNSR250Rに乗っていたり、

ZXRやCBRの話題にも
触れていることから
この自主規制、馬力規制には
よく触れます。

1983年 アルミフレーム採用、
ワークスカラーのカウルを装着した

スズキ RG250Γ

の発売を皮切りに
レーサーレプリカブームが
加熱したと言われています。

RG250Γ

▲RG250Γ
CC BY-SA 3.0  GFDL via Wikimedia Commons

レーサーレプリカブームの到来と同時に
メーカー間の高出力化競争は
激しくなり、

原付バイクから
大排気量バイクまで
性能が飛躍的に向上。

しかし、
これと比例するように
交通事故が多発。

結果、旧運輸省から
「過度の馬力はスピード違反や交通事故の増加を招く」

という指摘が入り、
日本自動車工業会において
メーカー間申し合わせし、
公的規制がかけられるように
なりました。

「規制以上のハイパワーエンジンを搭載した車両を生産してはいけない」

という事になり、
規制に合わない生産されたバイクは
認可されないことが定められました。

この規制がはっきりと記され
運用されたのが1989年。

なので、
NSR250Rなどで88(ハチハチ)が
最強スペック
と言われているわけです。

1989年から取り決めが開始され、

  • 250cc:45ps
  • 400cc:59ps
  • 750cc:77ps
  • 1000cc超:100ps

1992年にはさらに厳しくなり

  • 250cc:40ps
  • 400cc:53ps

私が昔乗っていた
ZXR750(1991年式)も購入時は
日本仕様だったため

77psでした。(輸出仕様は120ps)

エンジンとキャブレターをつなぐ
マニホールドには
半月状のアルミ板がはさまれていて、
あからさまに牙を抜かれた状態でした。

(その後部品を交換してフルパワー化を果たしました。)

しかし1996年から、
大型二輪免許と普通二輪免許が
独立した免許となり、

中型二輪免許の限定免許を解除
という方法しかなかった
免許取得方法から、

大型二輪免許を教習所で取得
という方法が
可能になったことで
大型自動二輪車の人気が急上昇。

購入される大型車のほとんどは
規制を受けない逆輸入車。

販売店も多く、
簡単に購入できるため
業界内で日本仕様だけを
規制する意味が疑問視されました。

そして遂に2007年7月に
日本自動車工業会と国土交通省は
オートバイの馬力規制の廃止を
決定しました。

 

環境性能の向上=出力の向上?

環境性能。つまり、
クリーンな排気ガスや省燃費といった
『エコ性能』ですよね。

実は馬力規制が解除された後も
ハイパワーな
中型バイク(126~400ccクラス)
はながらく出現しませんでしたし、
日本向け仕様の大排気量バイクも
輸出仕様と比べると
最高出力は抑えられていました。

例えば規制が廃止となった
翌年2008年にモデルチェンジした
CBR1000R(SC59)
のスペックを見てみると

HONDA CBR1000R(SC59)

輸出仕様(フルパワー)

最高出力:178 ps / 12000 rpm
最大トルク:11.4 kg-m / 8500 rpm

日本仕様

最高出力:118ps / 9500 rpm
最大トルク:9.7 kg-m / 8250 rpm

これは元々厳しかった騒音規制や、
強化された排出ガス規制の
影響によるものです。

しかしながら、
エコ性能の向上は

エンジンの高効率化

につながりますので、
クリーンでハイパワーというのは
そんなに難しいことではなかったようで、

2014年に騒音規制が
欧州規制と共通化された後、
スズキは
『GSX1300R 隼 』の日本向け仕様車で
197ps / 9500 rpmを達成させています。

GSX1300R 隼

▲GSX1300R 隼

写真提供:
GSX1300R 隼 紳士のバイク生活

 

つまり、
日本の馬力自主規制の歴史は

スズキ(RG250Γ)に始まり
スズキ(GSX1300R 隼)で

幕を閉じているのです!!

 

初めての日本国内仕様 GSX-R1000

8年ぶりに
フルモデルチェンジたした
GSX‐R1000の最新モデル

GSX-R1000R ABS

は6代目のモデルであり、
初めて日本国内仕様を
設定しました。

輸出仕様には
GSX-R1000と
上位モデルのGSX-R100『R』の
2種が用意されていますが、
今回日本国内仕様として発表されたのは
上位モデルの

『GSX-R1000R』

のみです。

GSX-R1000 1

By TokumeigakarinoaoshimaCC BY-SA 4.0 ウィキメディア・コモンズ経由

 

見た目ですぐにわかるのが
SHOWA製SHOWA BFF(Balance Free Frontfork)

フロントフォークに
大きな別体タンクが見えますね。

減衰力応答性向上により
路面状況を把握しやすく、
コーナリングのグリップ性が
向上するんだそうです。

GSX-R1000

By TokumeigakarinoaoshimaCC BY-SA 4.0 ウィキメディア・コモンズ経由

 

もちろんリアサスペンションにも
スタンダードモデルに比べ
性能の良いSHOWA BFRC lite(Balance Free Rear Cushion lite)
が採用されており、
より優れたコーナーリングを
実現可能としています。

それにしても
車体重量が203kgで197psなんて
乗りこなせるのか!?

なんて思う人も
多いんじゃないでしょうか?

 

ブロードパワーシステムエンジン

新機構『ブロードパワーシステム』を
採用し、
低中速域での扱いやすさといった
パフォーマンスを損なうことなく
最高出力を向上させながら、
スムーズな出力の伝達と
全回転域での強力な加速性能を実現。

ブロードパワーシステムは、

  1. 可変吸気バルブ
  2. 電子スロットル
  3. バルブコントロールをする動弁装置
  4. 3つの排気圧調整バルブ

これら4つの機構をまとめた総称。

電子制御など様々な工夫で
ハイパワーながらも
扱いやすいエンジンに
なっている模様です。

GSX-R1000

By TokumeigakarinoaoshimaCC BY-SA 4.0 ウィキメディア・コモンズ経由

 

様々な電子制御

他の電子制御としては、

ブレーキング時に
姿勢を安定させる

『モーショントラック・ブレーキシステム』

エンジン出力を
10段階から選択して制御できる

『モーショントラック・トラクションコントロール』

フェラーリやポルシェなど
高級スポーツカーで採用されていて、

全開スタート時でも
後輪をスリップさせることなく、
理想的なスタート加速が可能な

『ローンチコントロールシステム』

などが装備されています。

 

GSX-R1000R ABSまとめ

GSX‐R1000R ABS

日本仕様の特長として、

「欧州仕様(フルパワー)と同程度の最高出力・最大トルクを実現」

とされていますが、
実際は以下のような差があります。

GSX-R1000R

欧州仕様(フルパワー)

最高出力:202ps / 13200 rpm
最大トルク:11.2kg-m / 10800 rpm
車両重量:203 kg

日本国内仕様

最高出力:197PS / 13200 rpm
最大トルク:11.9kg-m / 10800 rpm
車両重量:203 kg

細かいですが、日本仕様の方が
若干トルク振りに
なっているみたいですね。

他に国内専用装備としては
ETC車載器も標準装備だそうです。

お値段は

メーカー希望小売価格
2,041,200円
(消費税8%込み)

(本体価格1,890,000円)

最新の電子制御満載
リッターSSバイクとしては、
お買い得価格と
言えるのではないでしょうか?(個人的には安いと感じるけど手は届かないw)

でも、日本国内向けバイクは、
180km/h以上を出るようにしてはならない
という規制は残っています。

なので、
180km/hのリミッターは装着されていますよ。

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最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。